魚が泳ぐ速度って諸説ありますよね。昔からよく言われていたのは、バショウカジキが最速で時速 100km で泳ぐとか、クロマグロは時速 80km であるとか。
でも、実際に測定器をつけて測ったら早くても時速 20km くらいしか出ていなかった。などの話もあります。
本当のところはどうなの?って思う人もいると思うのでクロマグロが泳ぐ速度を調べてみました。
ヒットしたクロマグロの場合
我々釣り人から気になるのは実際にヒットした魚がどのくらいの最高速度を出せるかということです。それによって求めるドラグ性能というのは変わってきますからね。
で、どうやって調べるのかという話ですが動画を見れば簡単にわかります。
今回参考にさせていただいたのは、鈴木斉さんが挑んだ竜飛岬のクロマグロゲームのこの動画。この動画からヒットしたクロマグロがどのくらいの速度で泳ぐのか計算してみましょう。
上記の動画は 30fps となっています。30fps というのは1秒間に30のフレーム(静止画)が連続して表示されることによって動きを表現しているということです。ラインのカラーから魚が走った距離を割り出し、経過したフレームからかかった時間を計算します。
動画を見て速度を求める
動画の 14:00 付近から、鈴木斉さんが推定 100kg を超えると思われるクロマグロをヒットさせています。14:15 くらいから魚がものすごい勢いで走り出し、14:18 にステラがズームされとんでもない速度でラインが引き出されます。このステラがズームされた瞬間を利用して計測します。
14:19 にラインが赤から青に変わる瞬間のフレームがあります。

ここですね。ラインの色が赤から青に切り替わっているのがはっきりとわかります。ここを1フレーム目として数えていくと35フレーム後にラインが青から黄色に変わる瞬間があります。

この動画は前述の通り1秒間に30枚のフレームがあります。35フレームは ( 1 / 30) * 35 = 1.16666…秒となとなります。キャスティング用のラインであれば10mごとのマーキングとなっていると推測できるため、このクロマグロは1.166秒の間に10mを泳いだということになりますね。
ここまでわかれば、あとは簡単な計算です。まずは秒速に直しましょう。
10 / 1.166 = 8.75 m/s
次に秒速を時速にしましょう。
( 8.75 * 60 * 60 ) / 1000 = 31.5 km/h
以上のことから、ヒットした100kgオーバーのクロマグロは時速 30km 以上の速度で泳げるということがわかったわけです。
マグロってすげーじゃん
細かい資料が見つからなかったので詳細が不明ですが、GPSだかデータロガーで測った結果は時速 20km くらいしか出てなかった。というデータもどうやらあるようです。計測方法による違いだと思いますが、クロマグロも命をかけてガチの本気で泳げば、ドラグがかかった状態であっても時速 30km 以上の速度が出るということがわかりました。
おそらく、初動は緩めのセッティングであると考えても、フッキングをさせるために 6kg 以上はドラグがかかってると推測されるその状況ですらこの速度ですから、ドラグがかかってない時に本気で走ったら時速 40km 以上は余裕ででるんじゃないかなと思います。
というわけで、諸説ある魚の速度を動画から計算してみました。
それにしてもこの速度の魚の泳ぎをいなせる最新のリールのドラグ性能はすごいよね。クロマグロのために最新のリールの20000番クラスを買いたいなと思う今日この頃でした。